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夜が響く [本]

ここ数日の暖かさは、3月としては尋常ではない。
歩いていると汗ばんでくる。


この暖かさに驚いたのか、庭では、
ボケの花がびっくりしたように一輪咲いた。


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梅の花やクリスマスローズも頑張って咲き続け、


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シロバナジンチョウゲが香りを振りまいている。


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私も陽気に誘われて、哲学の道に散歩に出かけた。
桜のつぼみが大きく膨らんでいる。
来週あたり開花するのではと思う。


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道ばたに於かれた椅子が鎖でつながれている。
こうしなければ、持っていかれるのだろうか?
少し切ない風景である。


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先日、大学時代の友人秋野氏から詩集「夜が響く」が届いた。


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彼女の手にかかると小さな生き物が大きな存在となって
読者に迫ってくるから不思議である。
ふと「虫めずる姫君」という言葉が頭に浮かんだ。


が、私に深い印象を残したのは
「きっと、それは話せないのだ」という詩である。
戦争から帰ってきた父親のことを歌っているのであるが
戦地の話をしない父親が70歳をかなりすぎてから
「戦争は人殺しとレイプなのだ」と怒りをはき出したという。


私の父親も招集された。
通信兵だったとかで、モールス信号には詳しかった。
行軍中は、他の兵士と同じ装備の上に通信機を担いで行かなければならず
大変苦労をしたらしいが、戦闘が始まれば司令官の傍で安全だったという。
それで父は生きて帰れたのかも知れない。


しかし、私の父もそのほかの軍隊の話や戦場の有り様は一切口にしなかった。
私の父もきっとそれは話せなかったのだと思う。


が、たまに父が呆然とした様子で椅子に座っている姿を目にした事がある。
その時、父の指だけがテーブルを叩き、モールス信号を打っていたのを覚えている。


戦争にかり出されると言うことは、
家族にも話せないものを抱え込まされるのであろう。
確かに戦争とは、人殺し以外の何もでもないのだ。


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太初(はじめ)に神話があった [本]

父の書斎で、発見した本を自分の部屋で心を振るわせて読んだ記憶は、未だに消えない。
この本は、昭和27年9月に発行されたもので、
父が買った日は昭和28年6月25日と書かれている。
僕が、この本を手にしたのは、中学二年生の春である。

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以来、表紙の絵と共に、ヘッセの『郷愁』は私の心の故郷のようになった。
これまで何十回読み返したかわからない。
当時、僕は初恋を経験し、人を愛すことの素晴らしさを知ったけど
それだけにその終わりほど寂しいものはなかった。

というのも、中学に入学した初夏のある日、中学三年生の女子に声をかけられた。
それが初恋の始まりだった。
そして、翌年彼女は、卒業し、僕は取り残された!
輝いて見えた中学校の校舎が、彼女と共に消えて、沈黙した。

そんな心境の時に出会った事もあったのか、以来、この作品と絵は生涯の友となった。

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そう、僕の神話もここから始まったのだ!
そして半世紀以上の時が流れたが、今も生きている。
僕の中に生きている。
第1章に書かれた風景は、僕の心の風景となったのだ。