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ロマンチック・ロシア展を見て思うこと [心の風景]

岡山県立美術館で開催中の「ロマンチック・ロシア」展に出かけた。
ロシアの絵画は、滅多に触れることが出来ないので、絶好のチャンスだった。



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私はロシアの風景画に魅力を感じていたのだが、展覧会の中心は
やはり「忘れえぬ女(わすれえぬひと)」(日本で命名)原題は「見知らぬ女」だった。
ポスターでは「あなたの視線が、離れない」
「ロシアのモナリザ」なんて描いているけど、
私にとっては、邦題のように"忘れえぬ女"というか、絵画の一つである。



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この画家は、イワン・クラムスコイで、彼はトルストイの肖像画も描いている。
ちょうど、トルストイが小説「アンナ・カレーニナ」を執筆中に
彼の家に同居して肖像画を描いていた。
アンナ・カレーニナの作品中に、イワン・クルムスコイの特徴を体現した
画家がアンナ・カレーニナを描く描写がある。


忘れえぬ女は、アンナ・カレーニナの刊行された6年後に完成している。
発表された当初は、女性が無蓋の馬車に乗っているという理由だけで
高級娼婦では無いかと酷評された。
ロシアでは、女性が馬車で移動するときは、馬車に覆いをかけて、
素顔をさらさないのが貴婦人の常識だったという。


しかし、多くの人が、この絵はアンナ・カレーニナを描いていると考えた。
トルストイの描くアンナ・カレーニナの特徴をこの絵は、供えている。
で、アンナ・カレーニナの本の表紙に使われたりしたのだ。


アンナ・カレーニナは女性という差別の中で、愛に悩み、
ついに鉄道自殺をするという、まさに悲劇のヒロインである。
彼女は、当時の社会の道徳的差別的な決まり事に挑戦した女性だった。


さて、この「忘れえぬ女」と向き合って見ると
冬の冷たい靄が立ちこめるサンクトペテルブルグのネフスキー通りに
幌を降ろした馬車に乗った全身黒ずくめ、黒のリボンの女が
背筋を伸ばして、私を静かに見下ろしている。


一見驕慢にも思えるが、よく見ると毅然としているのだと思えてきた。
さらによく見ると、目には涙を貯めている。
絵画の正面からでは無く、彼女の目線に正面から眺めたとき
向かって鼻の左側に一点ひかるものがある。
私には、それは涙の粒に見えた。
この人は、泣いているのだ!


私は、自分なりに、理解が出来た。
彼女は、社会の道徳的差別的な決まり事に挑戦し、死を決意した女性なのだと。
馬車にのって、死の世界にりんとして出発しようとしているひとの姿なのだと思う。
アンナ・カレーニナもそういう女性の一人であるが、イワン・クラムスコイが
この絵について「見知らぬ女」以外に何も語らなかった意味も理解できた。
だからこそ、また忘れえぬ女なのだと思う。


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